面会交流は、特に子がまだ小さい場合は、元夫婦が多少なりとも接点を持たなければならない場面であるため、離婚成立後もなおトラブルを引き起こす原因になってしまうことがあります。
そのため、多少生活は苦しくなったとしても、養育費をもらわない代わりに、面会交流も行いたくないという声を聞くこともあります。このようなことは認められるのでしょうか。
近年、面会交流については原則認めるという方向で運用されているというのが実感です。
そのため、良いかどうかは別として、たとえDV(ドメスティックバイオレンス)があった事案でも、裁判所が面会交流を認める方向に促すことはあり得ます。
詳しくは面会交流のページにおいて説明しておりますが、面会交流の建前は、子の福祉の観点から決めるということになっておりますが、現実の運用は「どちらの親とも交流できることこそが子の福祉に沿う」という考え方を採用しているような印象があります。
面会交流についてはこちら
「養育費をもらわない代わりに、子供とは一切合わせない。」という主張と似た主張としては、「面会交流できないなら、養育費を支払わない。」という主張があげられます。
このように、養育費と面会交流はよく関連付けて主張されることがあるのですが、基本的にこれらは別物と考えておくべきでしょう。
離婚して、一方の親が子供を育てることになると、それだけ費用が掛かることになります。親権を得られなかった親からよく耳にするのは、子を育てるには月○○円しかかからないはずだといった主張ですが、子を育てるには、純粋な費用だけでなく、時間もかかりますので、働く能力のある方でも、拘束時間が短く収入の低い職業を選ばざるを得ないという場合も少なくありません。養育費というのは、これらの負担を総合して考えられているものですので、面会交流の対価としての部分が含まれるものではありません。
他方で、面会交流については、子の福祉の観点から子を監護していない親とも交流できることが良いと考えられるから認められるものであって、養育費を支払っているから認められるものではありません。あくまで、面会交流は子のためのものというのが建前です。
したがって、子を元夫(妻)と会わせたくないために、養育費を受け取らないことを申し出るのは非現実的と言わざるを得ません。また、現在の裁判所の運用を前提とすると、調停や審判等で面会交流を認めないと判断してもらうのは難しいということは、認識しておく必要があるでしょう。
※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。
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