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DV(ドメスティックバイオレンス)かなと思ったら

近年、DV(ドメスティックバイオレンス)という言葉自体はよく聞くようになってきました。

しかし、具体的にどのようなケースがDVにあたるのか明確に意識されている方は少ないのではないでしょうか。

DVの大きな問題点は、仮にDVを受けていたとしても、ご自身がDVを受けていることを認識するのが難しいことと、DVであると認識したとしてもどのように対処すればよいのか分かりにくいことにあると思います。

それでは、DVについて詳しく見ていきましょう。

DVとは

DVについては様々な定義があります。典型的には、配偶者からの身体的暴力です。もっとも、DVの中には、暴力のみならず、精神的なもの(暴言、嫌がらせ等)、性的なもの、経済的なものも含まれると考えられます。

また、婚姻届を提出した夫婦だけではなく、事実婚状態の夫婦間における暴力、暴言等もDVであるといえます。

日本の法律の中でDVについて規定したものとして、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(以下、「DV防止法」と言います。)があります。この法律の中では、配偶者又は事実婚状態にある相手方(離婚後又は事実婚終了後も含む。)からの身体に対する暴力、又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を対象として、被害者の保護のための制度を定めています。

DVについて一概に説明することは難しく、個別の事案によって様々です。しかし、少なくとも、上に述べたような行為はDVに当たると考えられるでしょう。

もっとも、DV防止法の適用対象がDVの中でも限定されていることからも分かりますように、DVを理由とする法的な対応については、DV防止法の適用対象に当たるか否かで大きく異なることになります。

DVを受けた場合の対処法

DVを受けた場合の対処法は、大きく分けると2つあります。

  1. 離婚に関するもの
  2. 接触を制限するもの

DV案件の離婚について

DVの典型である身体的暴力は、刑法上は暴行罪という犯罪に該当します(DVによって負傷した場合は、傷害罪に該当します。)したがって、通常は離婚原因となるとともに、慰謝料の発生原因ともなるものです。そのため、離婚することができるとともに、慰謝料を請求することもできます。また、離婚の際には必ず父母どちらかを親権者に定めなければなりませんが、暴力を振るう人に子を育てさせるのが適切な場面は想定しがたいので、通常は親権を取ることができるでしょう。

このように、DVを受けている方の離婚手続は有利に進められることが多いといえます。

また、以下に述べる保護命令が裁判所によって発令されれば、DVがあったことの証拠として扱われますので、離婚の判断においては非常に有利に働くことになります。もっとも、保護命令を求めたものの、立証が十分にできなかった等の理由で裁判所が保護命令を出さなかったという場合には、相手がそのことを訴訟で自分に有利に主張してくるというケースもあります。したがって、保護命令を申し立てるかどうかは慎重に判断する必要があります。

接触の制限について

DVを受けている方を、さらなるDVの被害から守ることは必要不可欠です。また、DVを受けている方は、相手方に対して強い恐怖心を抱いていることがほとんどですから、相手方からの接触を断ち切ることで、安心して日々の生活を送れるようにしなければなりません。

そのため、DV防止法は、DV防止法の適用対象となるDVを受けた方が、一定の要件を満たす場合には、保護命令を発令することを定めています。

保護命令とは、以下の命令を総称するものであり、それぞれの事案に応じて、必要なものを申し立てることになります。

  1. 申立人に対する接近禁止命令
  2. 申立人への電話等禁止命令
  3. 申立人の子への接近禁止命令
  4. 申立人の親族等への接近禁止命令
  5. 退去命令

例えば、DVを受けたので、子と一緒に自宅を出て、実家で生活しているというケースでは、申立人に対する接近禁止命令、申立人への電話等禁止命令、申立人の子への接近禁止命令及び申立人の親族等(実家の親や兄弟など)への接近禁止命令を受けることで、DVの加害者である相手方からの連絡をとれないようにしたうえで、離婚調停を申し立てるということがあります。

また、このケースで、DVにあって着の身着のままで逃げてきており、自宅に残した貴重品や身の回り品を回収する必要があるという場合には、退去命令を得て、相手方が自宅に帰ることができない状態にしたうえで、荷物を回収するということも考えられます。

他方で、保護命令を申し立てるだけでは、相手方に現在の住居を探し当てられることを防げない場合もあります。

そのため、住民票の閲覧を制限することも可能です。

その他様々なDVの被害者を守るための制度がありますので、多くのケースで身を隠しながら離婚までこぎつけることができます。

もっとも、これらの手続を行うに当たっては弁護士に依頼することが多いと言えます。その理由は、離婚調停や離婚訴訟の場合、弁護士を利用しないのであれば、原則として裁判所にDVの被害者ご自身が出頭しなければならないことになるからです。裁判所は、調停時に相手方と鉢合わせにならないようにある程度配慮してはくれますが、出頭すること自体を拒否することは難しいです。弁護士に依頼していれば、弁護士が代わりに出頭することや、あるいは、被害者の方ご自身が出頭する場合であっても、弁護士が共に出頭し、側に付き添っていることが可能となります。

そのため、当事務所でも、DVのケースでは、弁護士に依頼することをお勧めしております。

なお、DVのケースでも、DVを受けたという事実が立証できるかという点がよく問題となりますので、証拠収集は極めて重要です。証拠については別のページにおいて説明しておりますので、ご覧ください。

離婚における証拠の取り扱いはこちら

まとめ

近年、DVについては上記のとおり法律上は様々な保護がなされており、実務的な運用においても、様々な保護がなされております。

しかしながら、そのような現在においても対応が難しい案件であることに変わりはなく、慎重に対処する必要があります。

例えば、DV自体が認められてしまうと、それ自体犯罪行為であることはこれまでも述べた通りですので、法律上は争えば慰謝料請求なども可能となります。しかしながら、その具体的な事案を前提として、慰謝料請求を維持する必要があるのか、言い直せば、離婚が認められる以上の結果を求めることが本当にメリットのある行為であるのかという点についても慎重に検討する必要があります。

そのため、DV案件においては特に、最終的にはどのような結果を求めるのかということを事前に弁護士との間で話し合っておくことが必要があります。

 

※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。

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