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少年事件の流れ

少年事件に関する法制度等の是非については、近年、活発に議論がなされているところではありますが、いざご自身が当事者となられてしまうと、今後どのように手続が進むのか不安になられる方も多くいらっしゃることでしょう。

ここでは、一般的なケースにおける少年事件の流れを解説いたします

なお、個別のケースにおいて手続の流れがどのようになるかは様々です。弁護士に法律相談されたり、すでに付添人弁護士がいらっしゃる方の場合はその付添人の先生にご質問いただいたほうが良いでしょう。

逮捕

逮捕自体は、成人の刑事手続と同様の手続です。

そのため、逮捕から48時間以内に検察官に送致され、そこから24時間以内に勾留するか否かの判断がなされることになります。

もっとも、少年事件の場合は、逮捕に続く手続が勾留になる場合と、勾留に代わる観護措置がとられる場合があります。

勾留(又は勾留に代わる観護措置)

少年事件の場合、勾留の他、勾留に代わる観護措置という手続がなされる場合もあります。

勾留の場合、警察署の留置施設の他に少年鑑別所で身体拘束を受けることになります。他方、勾留に代わる観護措置の場合には、警察署の留置施設ではなく、必ず少年鑑別所にて身体拘束を受けることになります。

また、勾留の場合、例外的に20日間となる場合もありますが、勾留に代わる観護措置の場合は、10日間のみであり延長はありません。

勾留や勾留に代わる観護措置が終わると、検察官は家庭裁判所に事件を送致することになります。

刑事事件と異なり、全件送致主義がとられておりますので、送致しないということは認められておりません。

家庭裁判所送致

事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所で審判を行うかどうかの判断を行うことになります。

この時点での処分の種類としては、保護処分、審判不開始、不処分、検察官送致(いわゆる逆送)がありますが、弁護士が関与するほとんどの事件は保護処分となります。

保護処分となった場合、同時に観護措置がとられることが多いです。

観護措置

観護措置がとられた場合、少年の方は少年鑑別所において身体拘束を受け、原則として4週間以内に審判を受けることになります。もっとも、この期間は8週間まで延長される場合もあります。

上記の勾留(又は勾留に代わる観護措置)中は、事件についての捜査が行われることになるのに対して、ここでいう観護措置では、要保護性についての調査が行われることになります。

刑事事件と異なり、少年事件は、少年を罰することを目的とするのではなく、少年の更生のための手続と考えられております。

要保護性についての調査とは、その少年が犯罪に至った経緯やその背景にある家庭環境について調査するということです。この調査結果をもとに、裁判所が、その少年を家庭内に戻しても大丈夫か’(保護観察や試験観察)、あるいは、再度犯罪を行わないようにするために少年院に送って社会性を身に着けさせるべきか(少年院送致)を判断することになります。

審判

審判において、少年に対する処分が決まることになります。

審判の内容としては、大きく分けて、不処分、保護観察、試験観察、少年院送致があります。

不処分となった場合、その審判終了後は通常の社会生活を送ることになります。

保護観察となった場合、審判終了後から社会に戻ることができることになりますが、定期的に保護司と面会することになります。

試験観察となった場合は、審判終了後はとりあえず社会に戻ることになりますが、定期的に調査官及び付添人(弁護士)と面会し、約6ヶ月後に再度審判を行うことになります。

試験観察は、少年をすぐに社会に戻すことに不安が残る場合に選択されます。一度社会内での更生の機会を与え、その生活状況を確認した上、社会内での更生が可能であるかどうかを見極めることになります。

少年院送致となった場合は、審判終了後も少年鑑別所に入所したままとなり、数日後に少年院に送致されることになります。少年院に入る期間はおおむね1年となっておりますが、それより短期(短期の場合は6ヶ月以内であることが多いです)となる場合もあります。

抗告

審判の内容に不服がある場合には、抗告することによってその内容を争うことができます。

もっとも、少年院送致との審判がなされた後に抗告したとしても、手続の進行が中断するわけではありません。したがって、少年は少年院に送致され、抗告の手続は少年院に居ながら行うことになります。

抗告が認められて少年院送致の審判が取り消された場合には、社会に出ることができることになります。

少年事件のポイント

これまで説明しましたとおり、少年事件は、成人の刑事手続とは異なり、要保護性の調査結果が審判内容に大きな影響を与えることになります。

他方で、要保護性に比べると、事件の重大性が審判内容に与える影響は小さく、重大な犯罪を行ってしまうような環境や特性であったということがどちらかというと重視されることになります。

この要保護性の調査は、家庭裁判所調査官が中心となって行います。調査方法は事案によっても異なりますが、基本的にはどの事件でも学校への照会、親からの聞き取り、少年本人からの聞き取りは行われることになります。

重要な要素となるのは、やはり少年本人が事件について反省していることです(少年が障害をもっているという場合や知的能力が一定よりも低いという場合は、別の要素も重視されます。)

しかし、多くの少年は、反省していないような態度をとって見せる場合や、反省していると述べるものの、「それではなぜ自分が行ってしまった犯罪が悪いと思うのか?」という質問に対してはきちんと答えることができない場合が多いといえます。

そもそも少年事件を起こして身体拘束を受けているので、このような傾向があることも想定される面はあります。ただ、他者から見て少年に真摯な反省がみられないような状態が審判まで続くと、仮に事件自体が比較的軽微なものであっても、社会に戻すことには不安があるとして、少年院に送致するという判断がなされていしまうことも十分あり得ます。

少年事件では、ご両親や少年自身が、「一回目の軽い犯罪ですので少年院にはいかないのではないか」と考えていることもよくあります。しかし、これまで説明しましたとおり、少年事件は要保護性で判断されることになりますので、事件自体が軽微であるとしても安心することはできません。少年が真に反省しているのかによって処分は大きく変わりえます。

そのため、少年事件として重要なのは、早い段階から、なぜ自分のしたことは悪いのかということを少年自身が考え、その考えたことを少年から調査官に説明するということです。

しかし、少年は若年ですから、自分だけの意志の力で真摯な反省に至ることは非常に難しいというのが現実です。当然のことかもしれませんが、これまできちんと自分自身の行動について考えることができなかったからこそ少年事件を起こしてしまう状態に至っているのですから、単に逮捕されて身体拘束を受けたというだけで真に反省できるということはなかなかありません。

そのため、親や弁護士が早い段階から根気よく少年と対話することで、少年の気持ちを少しずつ変えていくことが重要となります。

このような活動は、少年と弁護士の相性もあるところですので、難しいところですが、信頼のおける弁護士に依頼されることをお勧めいたします。

 

※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。

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