富山県弁護士会所属
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遺言で相続財産(諸説ありますが、ここでは遺産とイコールであると考えていただいて構いません。)の分け方が決まっていない場合、相続人の間で相続財産をどう分けるのかということが問題となります。これが遺産分割です(相続人については「相続人」で詳しく説明しております。)。
相続争いの中心となるのは、まさにこの遺産分割です。そのため、遺産分割が問題となりそうなのであれば、そもそも被相続人の方が生前に遺言を作成しておき、争いを避けるようにすべきです。
しかし、遺言書を作成するということは自らの死に直面することなので、ハードルが高いというのもまた事実です。また、不慮の事故や急病で、遺言書を作成する間もなく突然亡くなってしまう方もいらっしゃいます。
そのため、遺産分割における争いをこの世から完全になくすことは不可能であると言わざるを得ません。
遺産分割において他の相続人が争う姿勢を見せるのであれば、これに対応せざるを得ません。しかし、親族関係の争いですので、本人同士で行ってしまうとどうしても感情的なわだかまりが大きくなり、長引いてしまうことが多いです。
したがって、争いになってしまったのであれば、早い段階で弁護士に依頼することをお勧めいたします。
遺産分割においては、相続財産の範囲と相続財産の分け方が問題となります。
遺産分割において争われがちな類型はいくつかあるのですが、そのうちの一つが、相続財産の範囲で争いになるケースです。
典型的な事例でご説明します。
(事例)私は兄と2人兄弟です。父が亡くなり、兄と私が相続しました。父は長年兄の近所で生活しており、私は遠方に住んでいました。父の死後に、兄から父の相続財産は自宅の土地と建物だけだと説明されましたが、信用できません。しかし兄は、あくまで自宅の土地建物が相続財産の全てだと主張し続けています。
では、このような場合どのようにして争いを解決すればよいのでしょうか。
相続財産の範囲について争う場合、その手続は、遺産確認訴訟という訴訟手続によって定めることになります。
遺産相続について知識のある方であれば、「遺産に関することは、遺産分割調停で解決するのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、遺産分割調停は「相続財産をどう分けるか」ということを決めるための手続です。その前段階の、相続財産の範囲そのものが争いとなっている場合には、遺産確認訴訟で遺産の範囲を確定させた後で、遺産分割調停を行うことになります。
相続財産の範囲が争いとなるケースは、基本的には隠されている相続財産があるのではないかと疑われる場合であるといえます。
しかし、被相続人の名義となっている不動産や預金の場合、被相続人が亡くなった後は、(例外はあるにせよ)基本的には遺産分割協議書がない限り移転登記や引き出しを行うことができませんので、あまり隠されることはないと考えられます。
そのため、想定されるのは名義預金です。名義預金とは、例えば、父が亡くなる前に長男名義で預金をしていたという場合です。近年は少ないのですが、かつてはこのようなことが節税目的で良く行われておりましたので、問題となりました(なお、節税目的と書きましたが、基本的に名義預金で節税することはできませんので、その点はご注意ください。)。
名義預金が相続財産の範囲であると主張する方法ですが、まず、名義預金を発見しなければなりません。そして、名義預金を発見すれば、なぜ長男自身の預金ではなく、父の名義預金といえるのかを立証することが必要となります。
この点について争いとなった場合には、立証は容易ではありませんので、弁護士に依頼されることをお勧めいたします。
相続人の一部の人に対する生前贈与の有無が問題となる事案については、遺産確認訴訟ではなく、通常は遺産分割調停によることになります。
なぜなら、争い方にもよるのですが、その生前贈与が特別受益に当たるのかという争いになってくると考えられるので、遺産確認訴訟において争う対象にはならないのです。
なお、近年、生前贈与ではなく、認知症の被相続人の財産を相続人の一部の人が勝手に使い込んだというご相談も増えてきていますが、これについては遺産に関する手続ではなく、「財産を使い込まれた被相続人の、使い込んだ相続人に対する損害賠償請求権を法定相続分に応じて相続した」という構成で、相続人に対して相当額を請求する民事訴訟を提起することとなります。
遺産分割において主として問題となるのは、その分け方です。
遺言がない場合、相続財産は法定相続分に従って分けられることになります。しかしながら、通常、それだけで綺麗に分けることはできません。
例えば、相続財産として、1000万円の土地と1000万円の預金があり、相続人が亡くなった方の妻と長男だけであったとします。法定相続分はそれぞれ2分の1ずつですので、1000万円ずつもらえばよいのですが、土地をもらうのと預金をもらうのでは意味合いが大きく異なります。
そのため、相続財産をどのように分けるか話し合うことが必要なので、遺産分割協議を行うことになります。
しかし、これだけであればまだ簡単なのですが、通常遺産分割協議においては以下のようなことが争点となりえます。
相続が行われるのは、親子といった近い親族間ですので、例えば、親が子の結婚の際にお金を渡すといった贈与が行われていることも珍しくありません。
しかし、長男には結婚の際に100万円渡したが、次男には1円も渡さなかったという場合に、この差を全く考慮せずに遺産分割を行うというのは不公平です。
他方で、例えば、父の事業が赤字だったので長男が無給で手伝ったところ、多額の収益をあげることができるようになり、父が亡くなる際に多額の相続財産が存在したという場合に、これを次男と半分ずつわけるというのでは不公平です。
相続は亡くなったときに行われるものですが、このように、生前にあげたりもらったりしたものについても考慮しないと現実的には不公平な結論となってしまいますので、これを考慮するようにする制度が、特別受益と寄与分という制度になります。
特に争いがなければよいのですが、争いとなってしまった場合、何年も前に行われた贈与等の有無が問題となります。このような場合、明確に事実関係を把握できることは少なく、限られた証拠の中で贈与の有無を判断していく必要がありますので、争いが長期化する傾向にあります。
土地や建物は、預金や現金のように金額が明らかではありません。
そのため、どのように評価するかによって、分け方が変わってきます。
例えば、相続財産は土地とその土地上の建物のみであり、相続人は長男と次男だけだった場合、その土地建物をどちらかが相続して、その半額に相当する金額を他方に渡すことが多いでしょう。しかしながら、その土地建物が固定資産税評価額であれば2000万円ですが、不動産業者の評価では3000万円の場合、どちらの評価に依拠するかで渡す金額が異なってくることになります。
実務上、特に争いがなければ固定資産税評価額で分けることが多いように感じますが、争いとなったときはその事案によって解決は異なりますので、どのように交渉していくかということが重要となります。
※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。
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これは企業においても同様であり、契約書作成、労務管理、不動産管理、知的財産管理といった日々の業務に関連する問題に限らず、様々な法律問題が突然起こるということは十分にありえます。
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