富山県弁護士会所属
〒930-0066 富山県富山市千石町4丁目5番7号
【定休日:金曜・土曜・祝日】
※臨時休業等については「新着情報」に記載しております。
※法律相談は原則面談で行っております。
◆ご予約受付状況について
◆電話がつながりにくい場合
※電話での法律相談は原則お受けできません。
「面談には行かず、電話で簡単に相談をしたい」というご要望には対応いたしかねます。
各種法律相談実施中
日曜日も相談対応
※法律相談は予約制です。
電話予約受付時間 9:00~18:00
(土曜・祝日を除く)
076-464-3262
賃料を滞納されるのは、賃貸人にとっては許しがたい事態です。滞納が長期に渡れば、「いない間に鍵を替えて追い出してしまおうか…」という気持ちになることもあるかもしれません。
しかし、このような追い出しを行うことは絶対に避けてください。
たとえ賃借人に明渡しを求める法的な権利がある場合であっても、法律上認められた手段(強制執行等)以外の方法で法的権利を実現すること(自力救済)は禁止されています。
もし鍵を替えて賃借人を追い出してしまうと、賃貸人がこれによって賃借人に生じた損害を賠償しなければならなくなることすらあるのです。
したがって、賃貸人としては、賃借人の賃料滞納に対して、迅速に法的手段をとることが必要です(解除が可能な時期については後述)。また、問題が深刻化する前に対応することは、結果として賃借人にとっても利益となることが多いです。
賃借人の賃料滞納は賃貸借契約の解除原因の一つです。しかし、賃料不払いがあれば常に解除できるというわけではありません。
賃貸借契約は、売買等の1回限りの関係とは異なり、貸し借りの関係性がある程度継続するものです。そのため、当事者間にはこのような継続的関係を前提とした信頼関係があると考えられています。したがって、過去の判例では、解除が認められるのは、単に賃料不払い等の債務不履行が存在するというだけではなく、債務不履行によって当事者相互の信頼関係が破壊されるに至った場合のみであると判断されています。
どのような場合に信頼関係が破壊されるに至ったと判断されるかはケースバイケースですが、目安としては、3か月分以上賃料が滞納されていれば、信頼関係が破壊されたとして解除が認められることが多いでしょう。
また、3か月以上の賃料滞納があれば即解除できるというわけではなく、原則として、民法の解除の規定に従い、賃貸人から、「(大体2週間程度の)期限内に滞納分を支払ってください。支払いがなければ期限の経過とともに賃貸借契約を解除します。」と通知を内容証明郵便等で賃借人に送付する必要があります。
このような通知を送っても賃借人が賃料を払わず、退去もしない場合は、賃借人を相手取って裁判を行い、明渡しを命する判決を得る必要があります。それでも退去しない場合は、後述するように強制執行を行わなければなりません。
賃料を滞納している賃借人には、滞納している賃料の請求も行うことができます。賃貸借契約の解除の場合とは異なり、1か月分でも滞納があればすぐに請求することが可能です。賃借人が請求に応じなければ裁判を起こすこととなりますが、その場合は賃料額と1年あたり3%の遅延損害金を合わせて請求することが多いです。
しかし、賃料を滞納している賃借人は無資力であることがほとんどです。そして、後述するとおり明渡しの強制執行にはかなりの手間がかかります(弁護士に依頼すれば手間のほとんどは弁護士が引き受けますが、弁護士費用がかかります。)。また、私の経験上、賃貸人の方の中には、強制執行の過程における賃借人の対応に傷ついたり、「(正当な権利行使とはいえ)他人を出ていかせた。」ということについて精神的な負担を感じる方もいらっしゃるように見受けられます。
したがって、賃貸人と賃借人との間で、「滞納賃料の一部を免除する代わりに、早期に自ら退去してほしい」という和解を締結することも少なくはありません。
賃借人が賃料を滞納する理由は、ほとんどの場合「お金に困っているから」です。滞納状態を放っておくと、賃借人の資力はさらに悪化し、引っ越し費用も出せないから退去できないという事態に陥りかねません。
また、賃借人の資力が悪化しているということは、滞納が長期化して滞納額がかさめばかさむほど全額回収の可能性が乏しくなっていくことを意味します。
加えて、滞納が長期化すればするほど、賃貸人・賃借人双方にとって家賃を支払わないというイレギュラーな状態に対する慣れが生じてしまい、いざ行動を起こすときに抵抗感が大きくなってしまうということもあるようです。
そのため、賃借人の賃料滞納が生じたらすぐに賃借人に賃料を請求すべきです。その際に賃借人ときちんとした話し合いができれば、今後の対応がぐっとスムーズになります。
賃借人が賃料請求に応じず、滞納が3か月分に達した場合は、解除の可否(その事案において信頼関係が破壊されるに至ったと認められるか否か)と今後の対応を早急に弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。
当事務所は、富山地方裁判所のほど近くに位置する、法律問題を総合的に取り扱う法律事務所です。電話または予約フォームから法律相談のご予約を受け付けております。
交通事故、債務整理、離婚、遺言・相続など、普通に生活していてもある日突然様々な法律問題に直面してしまうことがあります。
これは企業においても同様であり、契約書作成、労務管理、不動産管理、知的財産管理といった日々の業務に関連する問題に限らず、様々な法律問題が突然起こるということは十分にありえます。
当事務所は、「最高の法的サービスを適正な価格で迅速に提供し、お客様に喜んでもらうこと」を理念として掲げ、お客様の法律問題を未然に防ぐとともに、発生してしまった場合には適切に解決できるよう全力を尽くします。
076-464-3262
電話受付時間 9:00~18:00(土曜・祝日を除く)