富山県弁護士会所属
〒930-0066 富山県富山市千石町4丁目5番7号
【定休日:金曜・土曜・祝日】
※臨時休業等については「新着情報」に記載しております。
※法律相談は原則面談で行っております。
◆ご予約受付状況について
◆電話がつながりにくい場合
※電話での法律相談は原則お受けできません。
「面談には行かず、電話で簡単に相談をしたい」というご要望には対応いたしかねます。
各種法律相談実施中
日曜日も相談対応
※法律相談は予約制です。
電話予約受付時間 9:00~18:00
(土曜・祝日を除く)
076-464-3262
従業員の能力が低い場合、その程度によっては解雇も検討せざるを得ないということもあるでしょう。
もっとも、「能力が低い」と一言で言っても、その程度は千差万別ですし、その評価は評価者の性格等にも影響を受けやすいため、能力を客観的に評価すること自体が困難であるという面があることは否めません。
そのため、仮に「能力が低い」ということが真実であったとしても、使用者が何の努力もせずに解雇してしまった場合は、解雇が適法と判断される可能性はほとんどないといえるでしょう。
したがいまして、基本的な対応は以下のとおりになると思われます。まずは、適正な人事考課の制度を設けます。そして、使用者からみて、その従業員が就いている役職において求められる能力の水準を満たさないと判断される場合には、まず改善策を講じます。それでもなお改善が見られなかった場合、退職勧奨を行ったうえで、解雇するということになるでしょう。
もっとも、このような対応をとったとしても、解雇が有効と判断されるのは非常に限定的なケースであることはいうまでもありません。
以下において、特徴的な裁判例を題材としてご説明いたします。
この事件では、従業員が語学が得意であると称し、かつ国際業務の経験があったことから、使用者は従業員を国際営業部に配属したものの、従業員は同部において教育指導を受けたにもかかわらず、業務に対する理解力が劣っているばかりか、自分の知識・能力を過信して上司の指示を無視しその場の思い付きで対外折衝を行うなどの致命的な態度が見られ田という事実が認定されています。さらに、従業員は法律に詳しいとのことであったのであるプロジェクトに参加させたものの、実際には法律知識も十分ではないことが発覚し、そのうえチームに貢献する姿勢も全く伺えず人間関係も悪化したことから、配置転換がなされました。
しかし、その後も不適切な業務遂行を繰り返し、従業員本人の希望もあって、再度配置転換がなされました。
もっとも、この配置転換によっても改善は認められず、さらに配置転換がなされたり配置転換に向けた教育指導がなされるということが繰り返されましたが、やはり改善は認められませんでした。そこで、最終的に使用者が退職勧奨を行ったもののこれに応じなかったため、解雇されたという事案です。
この事案において、裁判所は解雇を有効と判断しました。
この裁判例でまず注目すべき点は、単に従業員の能力に着目するのではなく、配置転換や教育指導などにより、従業員の能力を発揮させるための努力を使用者が行った過程を丹念に認定しているところではないかと感じます。
このタイプの事件の難しい点は、やはり「本当に従業員の能力は低いのか」という点が問題となるということではないかと思います。本件の使用者のように十分な手続を経ることによって、第三者から見ても、能力が低かったことが理解できる状態を作っておくことが解雇を有効と判断してもらうために重要といえるでしょう。
以上述べましたとおり、能力の低い従業員を解雇するという場合には、その従業員の能力がどれくらい低いのかという点に加えて、解雇に至るまでに、使用者側がその従業員に能力を発揮させるための配慮を尽くしたのかという点が問題となりえます。
したがいまして、使用者側として解雇に対する争いに備えるには、その従業員の能力の低さを表す具体的な証拠やエピソード等があれば、それらをなるべく残しておくことが重要です。また、従業員に対して教育指導等を実施した場合には、その資料等もきちんと残しておくべきでであるといえます。
そのうえで、従業員が裁判等で解雇につき争ってくる場合には従業員側に弁護士がついているケースがほとんどですから、使用者側としても、弁護士に相談のうえ、冷静に手続を進めていくことが大切であると考えます。
※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。
当事務所は、富山地方裁判所のほど近くに位置する、法律問題を総合的に取り扱う法律事務所です。電話または予約フォームから法律相談のご予約を受け付けております。
交通事故、債務整理、離婚、遺言・相続など、普通に生活していてもある日突然様々な法律問題に直面してしまうことがあります。
これは企業においても同様であり、契約書作成、労務管理、不動産管理、知的財産管理といった日々の業務に関連する問題に限らず、様々な法律問題が突然起こるということは十分にありえます。
当事務所は、「最高の法的サービスを適正な価格で迅速に提供し、お客様に喜んでもらうこと」を理念として掲げ、お客様の法律問題を未然に防ぐとともに、発生してしまった場合には適切に解決できるよう全力を尽くします。
076-464-3262
電話受付時間 9:00~18:00(土曜・祝日を除く)