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何年も前に起こした暴力事件を理由に解雇されてしまいました。このような解雇は有効なのですか?(最判平成18年10月5日判タ1228号128頁)

一定の要件を満たす場合、このような解雇は権利濫用として無効とされることがあります。

多くの会社で、就業規則において様々な懲戒事由を規定しています。

使用者の懲戒権の行使は、企業秩序維持の観点から労働契約関係に基づく使用者としての権能として行われるものであるとして、判例上も認められています。もっとも、使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種類及び事由を定めておいたうえで、その就業規則の内容を周知させる手続きが採られていることを要します。

懲戒解雇は、懲戒処分の中でも最も重いものであるといえます。懲戒解雇になると、退職金は一切支給されないことがほとんどですし、解雇予告手当も支給されない場合があります。

このように、懲戒解雇が労働者に及ぼす不利益は極めて大きいものですから、その有効性は厳格に判断されます。

まず、仮に労働者の行為が就業規則に定める懲戒解雇事由に形式的に該当するだけでは足りず、より実質的に、企業秩序を現実に侵害しているか、あるいは侵害の具体的かつ現実的な危険性が認められることを要するとされています(東京地判平成24年11月30日労判1069号36頁)。

さらに、労働者の行為は懲戒解雇という形で企業から追放しなければならないほど悪質であるかという観点や(処分の相当性)、社内で定められた適正な手続を踏んで懲戒解雇処分を下したか(手続の適正)という観点からも、懲戒解雇の有効性は厳格に判断されているといえます。

それでは、仮に労働者の行為が懲戒解雇に相当するほど悪質な行為であったとしても、その行為が行われてから長期間が経過した後に解雇した場合、そのような解雇は有効なのでしょうか。

以下においてご紹介する最判平成1810月5日判タ1228号128頁は、7年以上前の暴力事件を理由としてなされた解雇の有効性が争われた事案です。

最判平成1810月5日判タ1228号128頁

この事案では、使用者が、7年以上前に労働者が上司に対して暴力事件を起こしたことなどが懲戒解雇事由に該当するとして諭旨退職処分を下したものの、労働者が定められた期限までに退職届を提出しなかったため、このことをもって労働者に懲戒解雇処分が下されました。

本件につき、最高裁は、仮に上司への暴力という事実が存在したとしても、処分時点において企業秩序維持の観点からそのような重い懲戒処分を必要とする客観的に合理的な理由を欠くものといわざるを得ず、社会通念上相当なものとして是認することはできないとして、解雇を無効と判断しました。

その前提として、最高裁は、①社内の暴力事件で目撃者も多数いたのであるから、使用者は捜査の結果を待たずとも処分を決定することが十分に可能であった、②捜査の結果が不起訴処分となったときには、使用者においても懲戒解雇のような重い処分は行わないことが通常の対応と考えられるところ、本件において実質的な懲戒解雇処分に等しい重い処分を行うのは、対応に一貫性を欠く、③事件後の期間の経過とともに職場における秩序は徐々に回復したことがうかがえ、少なくとも処分時点においては、企業秩序維持の観点から労働者に対し本件の解雇のような重い解雇処分を行うことを必要とする状況になかった、ことなどを挙げています。

このように、解雇を無効とする理由として、「懲戒処分の根拠となる事実はあったとしても、すでに長期間が経過していること」を挙げているのが、本判例の特徴的な部分であるといえます。

まとめ

懲戒解雇が最も重い懲戒処分であり、労働者に職を失う以上の様々な不利益を与えることを考慮すれば、懲戒解雇の有効性については慎重な判断がなされてしかるべきであると考えます。

しかし、注意すべきなのは、上記の判例においても、単純に「暴力事件から7年以上が経過している」ということだけで解雇を無効としたのではなく、使用者が処分を決定することが可能であったのにしなかったことや、労働者が不起訴処分になったことなどの様々な事情が検討されていることです。

すなわち、仮に労働者の大きな非行から長期間が経過していたとしても、その他の事実関係によっては解雇が有効となることもありうるといえます。例えば、過去の重大な非行のみならず、現在に至るまでの様々な労働者の行為や勤務態度を理由として解雇をする場合や、過去の重大な非行がたまたま現在になって発覚した場合などは、判断が異なってくる可能性もあると思われます。

このように、解雇の有効性については、個別具体的な事実関係に照らして判断されるべきものです。もし、会社から解雇を告げられたり、退職届の提出を迫られたりした場合は、その場で判断せずに、早急に弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

 

※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。

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