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残業代請求

残業代については、会社によって様々な決まり(労働契約、就業規則、慣行等)があります。

例えば、

  • 年俸制なので残業代は支払わない
  • 管理職なので支払わない
  • 30分までの残業については残業代を支払わない
  • 残業をする場合でも一定の時間になったらタイムカードを切るように言われている

等、様々です。

しかし、これらの決まりの中には、「本当は法律上残業代を支払わなければならないものの、残業代を支払っていないだけ」という場合もあります。

では、どのような場合に残業代を支払わなければならないのか、一緒にみていきましょう。

残業代を支払わなければならない場合

一般論

例えば、平日9時~17時30分が勤務時間で、昼1時間の休憩が定められている会社について考えてみましょう。

この会社においては、17時30分以降に働いたり、お昼の休憩時間中に働いたりした場合には残業となります。

もっとも、残業になった場合の残業代の計算方法は、場合によって異なります。

法律上定められた労働時間は1日8時間であり、上記の事例の場合、労働時間は7時間30分となります。そのため、30分までの残業については、就業規則上は残業となりますが、法定労働時間は超えないことになります(なお、週40時間を超える場合には法定労働時間を超えることになります。)。

このように、法定労働時間を超えない残業の場合、割増賃金を支払う必要はありません。

とはいえ、就業規則に特別な条項がない限り、所定労働時間が1日7時間30分の場合、給料はその労働時間を基準として定められたものとなりますので、1日30分までの残業に対しては、割増ではない残業代を支払う必要があります。また、就業規則で残業が30分を超えるか否かについて区別がなされていない場合には、就業規則に基づいて割増賃金を支払うことになる場合もあります。

例外的に残業代を支払わなくても良い場合

上記のとおり、少なくとも法定労働時間を超えた場合には、残業代を支払う必要が生じます。

しかし、一定の場合には、残業代の支払いが免除されます。

例えば、労働者が管理監督者に当たる場合、労働者に変形労働時間制が導入されておりその範囲内で労働が行われている場合、裁量労働制が導入されている場合等が、これに当たります。

もっとも、これらについては要件が厳格に定められております。特に、管理監督者については、会社から管理職であると言われれば直ちに残業代が免除されるのではなく、その業務の実質により判断されることになります。ご自身が本当に管理監督業務をしているか疑問に思われる場合は、ご相談いただくことをお勧めいたします。

他方で、これらに当たらない場合、例えば、単に「うちでは残業代は出ないと言われた。」、「働いていたとしても○時にはタイムカードを切るよう言われている。」等の場合、ケースバイケースで事実関係を詳細に検討する必要はありますが、正式に請求すれば、残業代が支給される可能性も少なくありません。

残業代の計算方法

法定労働時間を超えるか超えないかによって、残業代の計算方法も異なりますが、ここでは、法律で定められている、法定労働時間を超える場合の残業代の計算方法をご説明いたします。

この場合、1時間当たりの賃金額×残業時間の25%増しの金額が金額が残業代となります(なお、休日労働や深夜労働となる場合には、最後に割り増しする%が異なることになります。)。

ここでいう1時間当たりの賃金額は、例えば、賃金が月によって定められている場合には、その金額を月における所定労働時間数で割った金額となります。

このように、法定労働時間を超える労働については、同じ時間を働いたとしても、通常の労働時間よりも高い割合の賃金の支払いを受けることになります。

また、会社がこの割増賃金の支払いを怠った場合は、裁判所が会社に対して同額の付加金の支払いを命じる場合もあります。つまり、残業代の支払いを怠った場合、本来の残業代の額の2倍を支払わなければならない場合があるということです。

残業代を請求する際における証拠の収集等の準備

上記のような残業代の請求は、あくまでも労働時間を立証できることが前提となります。

そのため、例えば、20時まで働いたとしても18時にはタイムカードを切るように言われており、実際にタイムカードを18時に切っていたという場合には、本当に20時まで働いていたことの立証をタイムカード以外から行うことになります。

労働形態にもよりますが、パソコンを利用するのであればそのログや、業務用メールの送受信時刻等から立証することも可能です。このような方法によることができない場合には、日記等に出社時刻と退社時刻を毎日つけておくことも一定の効果があります。

残業代請求については、ある程度裁判所における手続を意識した形で証拠を集めておくことが非常に重要となります。

残業代を請求する手続

残業代を請求する手続としては、任意の交渉、調停、労働審判、訴訟等があります。

しかし、残業代請求のケースは、特に任意の交渉での解決が難しい場合が多いといえます。

この点、労働審判は、ある程度早く手続が終了することとなっておりますので、早期に決着をつけたい場合にはメリットのある手続となります。

他方で、少々時間がかかっても適切な額の支払いを受けたいという場合には、会社側の支払能力との関係にもよりますが、訴訟を選択すべき場合が多いでしょう。

手続の選択については、担当される弁護士とよく相談されることをお勧めいたします。

 

※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。

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