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会社を再生させるには

「売上は減少する一方で、銀行等への債務の返済や経費の支払いばかりがかさんでいく、もう会社を続けられないのか…」

企業の破産申立件数は減少し続けているとはいえ、依然として会社、特に中小企業にとっては厳しい状況が続いています。

社長が長年にわたって一生懸命経営してきた会社を再生させるにはどのような方法を採るべきでしょうか。

「弁護士はすぐに『破産した方がいい』と言う」と思われている方にもぜひお読みいただきたいページです。

さまざまな再生方法

返済条件変更に向けた交渉

多額の返済が経営を圧迫しているとき、まず最初に考えるのは、銀行等の金融機関への返済額を減らすべく交渉することだと思います。

返済条件の変更(リスケジュール)に応じてもらうには、債権者に「返済条件変更に応じれば、会社の経営状況を建て直して、最終的に債務を全額きちんと返済してくれる」と思わせることが必要です。

そのためには、正確な貸借対照表や損益計算書を作成し、実現可能な事業計画を立てて、金融機関を説得する必要があります。

税理士、会計事務所、顧問弁護士がいる会社の場合は顧問弁護士に、これらの資料作成や交渉への助言を求める社長もいらっしゃいます。実際に、専門家を利用することで返済条件の変更が実現できることもあります。

しかし、大切なのは、あくまで会社が「返済条件変更に応じれば、経営状況を建て直すことができる」状態であるということです。

法的な再生手続の利用

一部の債権者の反対にあって返済条件変更の交渉が成立しなかった場合であっても、債務の減額や返済条件の変更が実現すれば、会社が営業を継続して利益を上げて、再び黒字企業になれることがあります。

そのような場合には、民事再生申立を行うことを検討すべきといえます。

民事再生手続においては、裁判所の関与のもと、原則として全ての債権者について平等な条件で債務の減額や支払期限の延長を定めるので、公平で透明性が高いといえます。債権者にとっても「交渉では返済条件変更には応じられなかったが、民事再生で決まった条件なら仕方ない」と納得しやすい面があります。

事業の(一部)譲渡

「会社全体としては赤字だが、一部の事業は利益を上げていて将来性もあるので、何とか残したい」という場合、代わりに事業を行ってくれるところ(同業他社等)に、その事業だけを譲渡することで、事業再生を図ることがあります

また、家族経営の技術職の会社等において、「会社としては建て直しは厳しいが、これまで長年会社で働いて技術を身につけてきた人(社長の子供や古くからの従業員等)に、会社の建物、機械、材料等を全部まとめて譲りたい」といったときにも、事業譲渡が検討されます。

事業譲渡のメリットは、会社と譲受人との間の個別の契約によって行うため、秘密裏に行うことができるとともに、債務についても選択的に元の会社に残しておくことが法律上可能であることです。

しかし、債権者にとっては、事業譲渡をされてしまうと、その事業の対価が(多くの場合唯一の)債権回収の対象となりますから、事業の対価がいくらであるかということに大変大きな利害関係を有することになります。そのため、「事業譲渡の対価をいくらにすべきか」ということが非常に重要となります。

これは、法的には、事業譲渡の対価が安すぎると、事業譲渡自体が無効になってしまうという形で影響することになります。すなわち、債権者から、事業の譲受人を被告として、譲渡した物の返還を求める訴えが提起されることにもなりかねないのです。

また、事業譲渡を可能な限りスムーズに行い、事業の譲受人が円満に事業を継続していける環境を整えることは、元の会社、譲受人、債権者を含む様々な関係者にとって望ましいといえます。

したがって、事業を続けていく上では、「事業譲渡の対価をいくらにすべきか」ということだけではなく、各債権者にどのタイミングで事業譲渡を説明するのかということも重要となります。

よって、事業の再生に当たり事業譲渡を利用するには、検討段階で弁護士等の専門家に相談しておく必要があるでしょう。

弁護士はなぜ破産した方がいいと言うのか

ここまで、借金の返済条件等が変更されれば建て直すことができる会社を再生する方法についてみてきました。

それ以外の会社につきましては、率直に言ってなるべく早急に破産又は清算の準備に入ることをお勧めいたします。

弁護士はすぐに破産した方がいいと言う、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

もちろん事案や担当する弁護士にもよりますが、弁護士が他の職業の方よりも破産を口にすることが多いとすれば、それは、弁護士が、「破産をしないことが何を意味するか」をよく知っているからです。

会社の目的は利益を上げること

かつて商法では、「会社は営利を目的とする社団である」と定められていました。

現在、商法のこの規定は削除されていますが、会社が営利法人であることは変わりありません。

つまり、会社は、事業によって利益を上げて、これを出資者に分配するためにこの世に存在しているのです。

再生を試みても利益を上げることが叶わないのであれば、会社としての存在意義を考え直すべきです。

破産をしないということの意味

返済ができないのに破産をしないでいると、当然ながら利息や遅延損害金等で債務総額は増加する一方です。

債権者は、返してもらえる可能性のない債権についてずっと請求し続け、会計上も資産として計上し続けることとなります。

会社に財産がなければ、強制執行をして債権回収を図ることもできません。仮にあったとしても、強制執行(競売)では相場よりかなり安価で競落されることがほとんどであり、費用と手間に見合わないことになります。

また、赤字事業を継続するということは会社資産を減らしていくということです。破産申立にを行うにも、弁護士費用や裁判所に納める予納金等の費用ががかかります。破産申立時には、これ以外にも、事務所や工場が賃貸であれば原状回復の費用、廃棄物等がある場合には廃棄物処理費用等の様々な費用も確保できていることが望ましいです。そうでなければ、最終的に原状回復や廃棄物処理がされないまま破産手続が終わることになり、賃貸人や近隣住民等に迷惑をかけることになるからです。

資産が尽きそうになってからいよいよ最後の手段として破産をしようと思っても、破産をすることすら困難になってしまうこともあるのです。

破産をすることの意味

破産は、資産や収益で返済しきれない債務を抱えてしまったときに、きちんと債務を清算して「経済生活の再生の機会の確保」(破産法1条)を図るために、国が法律で定めた手続です。

会社にとっては破産は締めくくりの手続ですが、社長にとっては再生のための手続です。

破産手続を用いてきちんと債務を清算し、これまで会社経営で培ってきた経験や能力を生かして再び経済的に立ち上がることが、社会的な要請であるといえます。

なお、上に述べた事業の(一部)譲渡について、破産手続を利用するケースもあります。

破産手続は裁判所が関与するため、手続の透明性や適正さが担保されています。そのため、破産申立前に、あらかじめ裁判所や破産管財人(候補者)に事業譲渡を行いたい旨と予定金額について相談しておいて、破産申立後に、譲受人が破産管財人の認める金額で事業を譲り受けるという方法を採れば、事業譲渡について債権者から争われるリスクがほぼなくなります。

早期の対応が大切です

どのような方法を採るにしても、早急に動き始めることが最も大切です。

自分の会社はどのような再生方法を試みるべきか知りたいという方は、ぜひご相談下さい。

 

※本ページの記載事項は、記載時点における法律、状況等を前提にして記載しております。

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